2008年08月30日

新版<高度の実感>シリーズ-3:香港カイタックの恐怖









新版<高度の実感>考察シリーズ。


二代目ダモログでは
香港と米アトランタから
取り上げていたが、


三代目当欄での新版では
それらの前に
横浜特集との連動で、


ニッポン最高峰のビルヂング
<横浜ランドマーク・タワー>から
先般、取り上げた。




新版としてのパート.3とパート.4で
香港とアトランタへ戻り、

パート.5から
新旧含めても初取り上げとなる
豪州シドニー以下へ

進んでいく所存である。








*****









分類すべてを包含しての

単独取扱で


<香港-Hong Kong>。

現・チャイナ
旧・英国



国際大都市。


ダモシが足を踏み入れたのは
未だ英国だった頃の香港、



1992年のことである。





香港もまた東京同様に
アジア・エリアに属する中で
世界に御す国際レベル都市であり、

分類上の<超高層建築物>で見ても
スーパー・トールはもとより

300mオーバーの超高層ビルヂング
すなわち
ウルトラ・スーパー・トールを
複数抱える
巨大都市である。



ダモシとワイフが訪れたのは
未だ香港が大英帝国傘下にあった時代の
1992年9月。


それは猛暑の香港。

タラップ降りで
エアポート滑走路に出た
(外に出た)瞬間、

"東京の5倍"
とリアルに実感した異様な湿気と

表現のしようもない異臭によって、

ダモシが呼吸困難に陥って
リバース症候群を発症した。








それはさておき、


その当時の香港には

ウルトラ・スーパー・トールとしては

BCタワー(367m)と

セントラル・プラザ(374m)が

存在していた。





むろんそれと共に
多くのスーパー・トールが
既に並んでいた。





後者はちょうど
ダモシとワイフが香港遠征する
直前(一か月前)に完成した。



2008年現在では、

2インターナショナル・フィナンシャル・センター
(416m)



ザ・センター(346m)
ニーナ・タワー(318m)



準ウルトラ・スーパー・トールの
長江センター(283m)が
さらにラインナップに加わり


摩天楼の様相をより一層高めている
はずである。




さらに今年以降、

265m
275m
280m
を擁する三つの
スーパー・トール・ビルヂング



484mで香港ナンバー1となる
ウルトラ・スーパー・トールの
インターナショナル・コマース・センター



林立することになる




といった具合に

香港は世界屈指の
スカイ・スクレイパー大都市となっている。






それらと共に
かつて沢木耕太郎氏曰くの
<50セントの豪華な航海>たる、

当時ダモシも大のお気に入りとなった
"スター・フェリー"が行き交うベイや
香港中心部を

俯瞰して満たす光景が

ナポリ・函館と共に

世界に誉れ高い


<世界三大夜景>である。








函館のそれが
函館山からの眺望であるに等しく、


香港のそれを望む山は、
ヴィクトリア・ピーク。


その標高は550m強。





ちなみに

このヴィクトリア・ピークへ
登るためには
ロープウェイではなく

ピーク・トラムという名の"電車"
に乗ってゆく。




これがまた独特の世界観で、

山間の急勾配を
電車で上がっていくのである。

ニッポンで
これに近いものとしては
ダモシ的体験では
小田原と箱根湯本を結ぶ箱根登山鉄道か
(これがまたダモシは好きである)。


この箱根登山鉄道の感覚に
近いことを想像した上で、

これよりも急勾配であり

且つ

座席が上に向かっていることで
己が座ったまま下に滑り落ちていって
しまいそうな感覚に陥ることを

想起していただければ、と。





要するにヒップ側が下に落ちていく
重力を感じてしまうわけである

(実際にも己が背中側が下に向いているため、
 落下のパワーを感じる)





<高度の実感>としては、

このピーク・トラムという鉄道に
乗車している際の感覚と
車内からの眺望が


まずは挙げられよう。






話を戻して、

世界三大夜景を望む
ヴィクトリア・ピーク。


そのデイ・タイムと夜景から。



予めお伝えしておくこととしては、

むろんすべて
当時ダモシが撮影した写真だが

それらはすべて
"普通の"プリントカメラでのもので、

画像はさらに
プリントした写真を
スキャンしたものである
ということである。


よって画質は良くない。

それをご了承頂ければ
幸いに存じているわけである。






相対評価の対象としては
当然、函館が出てこよう。

<世界三大夜景>での
香港vs.函館に関しては主題が異なるため
ここでは論を持たないが、

結論からいえば

香港の圧勝となる。




シリーズの主題である
<高度の実感>の強さでいっても
函館とは比較にならない。




しかし

眺望のポスチャーの
根本的な部分は
非常に類似しているのが、

香港と函館である。




要するに構造とポスチャーの妙。



では

何で差が出るのかといえば、


これはもう

スカイ・スクレイパーの存在

になってくる。





遠望だけの函館



遠望プラス
眼下に展開される
スカイ・スクレイパーの香港。




同じように山や海が見えて

とあれば、

それにプラスαで

スカイ・スクレイパーがあれば、


当然ながら

レベルは異なってくる。






この違いは

<世界三大夜景>という
括りのみならず、



<高度の実感>における

ドラマティカリーな差となり顕現する。






hkg8.jpg




手前で目立つ
黒に見えて頂上に二本のアンテナがある
ウルトラ・スーパー・トールが
BCタワー(367m)。

さらに右に
エンパイアのように見えるそれが
セントラル・プラザ(374m)。




これをBCタワー側へ
フォーカスを向けて見ると、



hkg2.jpg




さらに
ヴィクトリア・ピーク展望台から
デイ・タイムの景観を見る
大きな画像を下記にて。




http://www.freewebs.com/tarao/hkgview1.gif

http://www.freewebs.com/tarao/hkgview2.gif






そして夜景から一枚。



hkg1.jpg


最近であればもっとキレイで
俯瞰の夜景は
おそらく数多くインターネットで
見られるであろう。





参考までに
この92年当時、

対岸から見ると以下のようになる
ひとつの景。



hkg5.jpg





そして前述の
スター・フェリー。


hkg6.jpg




ダモシが訪れた頃は
50セントではなく
1香港ドル程度だったと
記憶しているが、

いずれにせよ廉価で

すばらしい景色を見られるという点で

廉価の豪華な航海

であることは確かである。










*****








そして、

ここからが本題となる。




香港での<高度の実感>は、

ヴィクトリア・ピークからの
世界三大夜景ではない。


ウルトラ・スーパー・トールからの
眺望でもない。




香港の
今はなき
旧国際エアポートである

カイタック空港へ着陸する
一連の流れにおける



飛行機内である。








カイタック空港の悪名と功名

いずれも破格レベルの表裏一体の称号。



それが、

着陸時の怒濤の市街地突入

である。




パイロットにとっても

世界最難関の着陸地が
当時のカイタック空港。



"普通"エアポートは、

ニューヨークや成田その他でさえ
市街地から離れた位置にあることから、

着陸の際に
市街地中心部や
ビルヂング、住宅に
突入していくことはまずあり得ない。




しかしこのカイタック空港は、

ものの見事に
市街地中心部の高層アパートメントや
高層ビルヂングの中に
突入していき、

その谷間を縫って

いよいよ着陸するという

いかなるテーマパークや遊園地の
絶叫マシンをも超越する
スーパー・エンターテイメント

を保持していた。









世界的にも有名だったから、

当然

乗客は皆、

それが
いかなるスペクタクルなのかを
興味津々で見ていた。





着陸への動作に入るにあたり

いよいよ乗客は皆
窓へと身を乗り出して

シートベルト無視の総立ち状態。






ダモシも機内から

その光景を何枚か撮った。






hkg13.jpg




いよいよ着陸への軌道。



まだこのシーンであれば
珍しくはないだろう。




市街地上空を旋回してから
着陸するという
エンターテイメントでいえば、

米国内便における
ニューヨークのラガーディア

ニッポンからの帰路での
同じくニューヨークの
ジョン・F・ケネディ

へ向かう直前の

前者は
マンハッタンの
ウルトラ・スーパー・トール群上空、

後者は
ワールド・トレード・センター

も破格だが、



カイタックの場合は

それを眺望するのではなく
文字通り突入していったという意味で

異次元レベルにあったといえる。





hkg11.jpg



このように
着陸が近づくにつれて


市街地とビルディング、
アパートメント群が眼前に迫ってくる。



まさに
それらへと下りてゆく感覚。





この後、さらにビルの谷間を旋回するから

たまったものではない。





それを賛美する声は世界中にある。


"Relive one of the
  world's great aerial adventures!"

"Roller coaster retrospective
         on Kai Tak Airport"

"747 crazy landing at Kai Tak!"

"Dangerous Places and Adventure Travel"



等々。





要するに
これは世界屈指の航空アドベンチャーであり

クエイジーだよ
デンジャラスだよ、と。


"髪が逆立つぜ"といった体験談もある。



インターネット時代の現代のこと、
youtubeなどには動画もあるやもしれぬ。






hkg10.jpg



谷間を抜けて

そろそろ着陸の頃合いの様子。





このエアポートへの着陸態勢にある
飛行機内からの眼下。


これが<高度の実感>を高める理由の
ポイントは、

デジャヴでもある。






このエアポートの悪名は
既に誰もが知っているわけである。


ビル群に突入するという既知。


その既知があることで得る
己がイマジネーション喚起の上での
デジャヴ=既視感。



それを経ての実体験。



これが恐怖を煽る。






さらに

乗っているものが飛行機という


<落ちたら死ぬ>という恐怖に加えて、



この市街地中心部に落ちたら
とんでもないことになるぞ


というマインド増長。





且つ



これは

このエアポートの立地と形状、
滑走路(着陸地点)のポスチャー
すべてが独特であるがゆえの、


着陸へ向かう上空での

過度な旋回と

アクロバット飛行か?
と思えるほどの機体の傾きに加えて、



一本の海に突き出た短い滑走路という


<オーバーランしたら海に落下して死亡>


という




既知とデジャヴが生み出す

また加わってしまう甚大なる恐怖。








これらすべてが折り重なっての


スーパー<高度の実感>


を感受し得る






考えられるわけである。












付録として、


香港から東京へ戻る際の

エアポート画像と

飛び立った後の画像を白黒で。





これは当時

白黒フィルムでも撮っていたため、

そのまま白黒画像となっている。






hkg15.jpg




見事なタラップ降りの
カイタック空港だったが、

離陸への搭乗に際しても

タラップ昇り

であった。



しかも

自ら滑走路へ歩み出て
勝手にタラップを昇った。





パイロットが意気揚々と歩いている。

着陸ではなく
今度は離陸だから問題ないぜ

というマインドから
リラックス
しているのであろうか、意気揚々。





hkg16.jpg


離陸してから数分後の窓からの景色。



眼下が

市街地や
高層アパートメント、高層ビルヂングでなく

平野であれば


<高度の実感>は得られない。






恐怖がないからである。







仮に

平野ではなく

ワニ以下恐怖の動物がうようよ蠢く
密林やアマゾンであれば

やはり
香港同様に


<落ちたらイヤだ>

というマインドが働くことで、


恐怖心が高まり

同時に
<高度の実感>も過度になろう。











カイタック空港に関しては

そういった要素のみならず

前述した通り


・着陸へ向かう
 飛行機自体の揺れと角度と旋回

・着陸する路が一本で、且つ極端に短く、
 その先が海




という点がまた


既知+デジャヴ

となり、



さらなる恐怖心と


<高度の実感>を強めたわけである。







香港の

ダモシ的

堂々たる<高度の実感>の強さと高さ
ナンバー1は、



今はなき
カイタック・エアポート
へ着陸する飛行機内。














posted by damoshi at 09:48| <高度の実感>シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする