2008年11月28日

<本棚から>-1:ノルウェイの森









今年の
西武ライオンズ優勝で
取り上げられた渡辺Q監督。

数値年齢的には不惑前半。
属性的にはアラフォー。

そして
世代的には<新人類>。

生きていれば
尾崎豊もその世代で、
学年が同じのダモシも同様。


誕生年でいえば
1960年代を前半後半に分ければ、
後半の生まれに属するものが
そのジェネレーションになる。

つまり、
65-66-67-68-69年生まれまでだ。




大学というキャンパスライフで見れば、

それより前の世代たる
60年代前半生まれの人たちが大学生の頃
(80年代前半)から、

「サークルやクラブ活動が活発化し
 サークルのロゴ入りスタジャンは
 大学生のファッションに欠かせないアイテムとなり、
 女子には聖子ちゃんカットが大流行だった」
(某大学史調査による)

ということだ。


彼らより少し下の世代である
ダモシたちが高校生の頃に
聖子ちゃんカットが女子の間で
大ブームだったから、辻褄が合う。



ダモシ世代の大学時代は、
その趨勢が確立された後の
80年代中期から後期である。

だから
そういったファッション趨勢に加えて、

さらに前世代の70年代後期大学生的な
IVY(アイビー)も取り入れた
ハイブリッドなファッションが流行っていた。


その二つに加えて
"おれたちの時代"には、

<DCブランド>ファッションと
<ハマトラ>、<オカサーファー>も
要素として内包し、

さらに
80年代末期(卒業の頃合い)に
<ボディコン>が登場するといった世界観だ。


むろん、
人それぞれ、その他ファッションはあった。



ダモシの場合は、
シンプルに白いTシャツにジーンズ。
冬は上にそのまま革ジャンを羽織るという
世界観で、

アイビーは高校時代末期〜浪人時代に
ダモシ自身のトレンドになっただけで終わった。


DCブランドは興味なかったが、
たしかに周りには多かった。

己が一人暮らしの部屋のベッドを
レノマで揃えた者もいた。

そんな時代である。





当時のある時期の彼女も、

サークルのロゴ入りスタジャンに
チェックのミニスカート、

ハイソックスにローファーといった
ティピカルなファッションをしていた。

これがまた、かわいかった。
こんな格好で
一緒に
秩父宮へ大学ラグビー
国立へ米のフットボール(サッカーではない)
青山へNCAAバスケットボール
に観戦に出かけ、

観戦後はやはり外苑前や青山で
ビールを飲むという流れ。

むろん外苑のテニス壁打ちも定番。

今では
チェックのミニスカートにハイソックスは
女子高生の定番になっているから

時代の変遷を感じるところだ。








いわゆるそんな
80年代中盤から後半にかけての時代は、

世にいう<女子大生ブーム>だった。


ファッションは
前述の範囲で
人それぞれなるも、


女子大生の手持ちアイテムが
これまたティピカルだった。


たとえば
スタジャンに
チェックのミニスカート、
ハイソックスにローファーという格好で、

手にはテニスラケットとバインダー。



これが
ティピカル風情だったのである。

バインダーは、

大学の教科書(分厚い学術書)とノート、
ペンケースなどを、

ピンクやパープル、イエローなどの
ベルトのようなバインダーで束ねたアレだ。


すべて裸になっている。
だからある意味で、
「心理学概論」等々というタイトルを
ちら見せするのが、

そのバインダーだった。



"見せる要素"を過剰に意識した
ストラテジー。


アタシは<英文学科>
ボクは<法学部>

をアピールする。




そして

1987年秋頃から翌年にかけて
その定番アイテムに加わり、

バインダーの中に束ねられるか

あるいは

それだけ束ねずに

・テニスラケット
・バインダー

と共に三種の神器的に
独立したアイテムとして
街を闊歩していたのが、


<ノルウェイの森>だった。










*****








87年の秋に第一刷。

翌春には既に12刷を数える
ヒット単行本小説。


作者や内容に関して、説明は不要だろう。




<ノルウェイの森>の

ジャスト世代は、つまりダモシ世代である。



それを証明する事象が、
ニューヨーク在住時代にあった。




ニューヨーク時代は
日本の後輩が度々、

日本の最新ドラマを録画したビデオを
郵送してくれた。


その中に
<恋を何年休んでますか?>(2001年)
というドラマがあった。

小泉今日子や飯島直子、黒木瞳
未だ若く真っ白だった頃の矢田亜希子
などなどが登場。


劇中、主役の小泉今日子と
その夫役の仲村トオルの
設定年齢が30代中盤。


小泉今日子も仲村トオルも、
実際年齢が
ダモシは同学年で同じ年齢に当たる。
当然、ワイフも同じだ。

現在のアラフォー世代の
数年前のことである。

だから
よりシンパシィをもって視聴した。






劇中、

小泉今日子は
夫を会社へ送り出し
子供を学校へ送り出した後の


AMの束の間のじぶん時間に

ノートブックでメールを送ったり
掃除をしながら
部屋のコンポのスイッチを押す。


と、流れてくるのは
ユーミンや、
我々世代が大学、高校時代に耳にした歌が
流れる。




まさに世代ドラマだ。



世代の共感を生むためには
同時代性を小道具として使用するのは
これまた定番だが、


それらの小道具のダメ押しとして

用いられたのが
<ノルウェイの森>だった。



小泉の夫・仲村は、

小泉の友達である黒木瞳の、
娘である矢田亜希子と

不倫関係にあった。




仲村と矢田の二人は
<ノルウェイの森>を基軸に
keep in touchしている。


仲村は夜、
ベッドの中でなぜか<ノルウェイの森>を
読んでいる。


小泉がその姿を見ると
隠す仲村。


小泉はその本を拾い、
タイトルを見て不思議に思う。

といったシチュエーションだ。






これに限らず、
ある意味であの時代の
男女のツールとしても

存在していたのがこの
<ノルウェイの森>ともいえる。



大学時代のその頃、
アルバイト先の赤坂の店には
ウェイトレスとして
出勤してくる女子大生の
何人かがやはり、


<ノルウェイの森>を抱えてきた。



従業員出入口付近にあった
休憩室で
先に出勤していたダモシが
ブレイクしていると、

そういったポスチャーで
出勤してきた女子大生。




<あ。ノルウェイの森。
 読んでるんだ?>とダモシが問うと、


決まって彼女たちは
<うふふ…>と

ちょっとハニカんだ様子で答えた。



好き嫌いや
その中身を読書する真剣度は問わず、


<小説として>云々でも
<文学少女>云々でもなく、



<流行のツール>として

より多くの女子大生に
用いられた"本"の

ティピカル症例が
<ノルウェイの森>だったのではないか、と。




<僕も読んでるよ>
<僕も持ってるよ>
<僕も読んだよ>

とダモシが言えば、



<うふふ…>は消えて、


即座に
"ノルウェイの森・談義"にはならず、


男女の話題になったことも
それを証明しているであろう。






そりゃあ、

吉村昭の<破獄>より
<ノルウェイの森>を手に持って

キャンパス&アルバイト等の
大学生ライフと恋愛ライフを演出する方が


心理的にも機能的にも


"うまくいく"ための初歩的ツールとしては

最適だったのは間違いない。





その観点では、

本の装丁も
上下巻での色合い(緑と赤)



見事なまでにフィットしていたのである。










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nrw.jpg



<ノルウェイの森>by 村上春樹
1987年。

















posted by damoshi at 13:03| ダモシの本棚から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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