<東京タワー>は今宵、50周年を迎えた。
ここのところメディアでも
そのヒストリーや裏話が取り上げられていた。
東京人にとっても
ダモシにとっても
いわゆる"灯台下暗し"的存在の代表格。
しかし
一般ゼネラルには
映画"Always 三丁目の夕日"で、
ダモシ的には
06年頭の初登頂で、
いずれも
驚愕の再発見とともに
<東京タワー>の魅力再発見を経て
さらには
新東京タワーの建設も始まり
名称も決まったことで
ふたたび注目を集めるに至り、
今宵50周年を迎えた、と。
<高い>存在が
最も多く集まる東京首都圏の中で、
ダモシにとっても
東京都庁と双璧を成す
<高度の実感>。
東京都庁とはまた別種の
それを持つ<東京タワー>。
そして自立式鉄塔としての高さでは
世界一ということで、
<高度の実感>において
世界とも御し得る存在としての
<東京タワー>。
今宵50周年ということで
当欄では
<高度の実感>と<スカイスクレイパー>
両カテゴリーを包含して
(掲載は<高度の実感>)、
06年頭以降撮影した写真から
<東京タワー>の
様々な顔を交えながら
特集する次第である。

*****
まずは
主役が東京タワーの
<スカイスクレイパー>。
上に掲載した写真は、
どこから見た東京タワーであると
想像するであろうか。
もう一枚、横位置で。

六本木ヒルズから見た
東京タワー中心の夜景である。
ちなみに
西新宿摩天楼群を遠望すると
こうなる。

六本木ヒルズ・タワーには
東京シティ・ヴューという展望台や
森美術館部分からの眺望もある。
タワー自体の高さは最上位クラスだが、
意外に
ここからの<高度の実感>は乏しい
(ヴューの良さは別として)。
よって
六本木ヒルズを
<高度の実感>として
取り上げることは現状ではない。
あくまでも
<スカイスクレイパー>として
六本木ヒルズから見た
東京タワーが主軸となる。


そこに東京タワーが在ること。
そして、
ヒルズ・タワーの
ヴュー・ポイントと
東京タワーの位置関係。
この二点が絶妙に絡み合うことで
成立する
ストーリー性の高い眺望と
東京タワーのスカイスクレイパーは、
必然的に
ドラマや映画のシチュエーションになる。
ニューヨークの
ロックフェラー・センター展望台から
真正面の最高の位置に
エンパイアがあることに等しい。

あくまでも
主役は東京タワー。
ヒルズ・タワーは
それ単体でストーリー性を
持っているだろう。
個々の恋人が
ドラマを演ずるに値しよう。
だが
本来はヒルズが主舞台で
展開されるドラマであって
東京タワーは脇役であるはずのところ、
東京タワーがここにあるか否かでは
ややもすると
ヒルズ単体で
ここまでドラマが広がるかといえば
いささか疑問である。
主舞台がヒルズであってもなお
東京タワーは
主役になってしまうパワーが、
ヒルズにはない
<ニッポンのカルチュラル・アイコン>
であり
大いなるヒストリカル・スターたる
東京タワーの
底力であろう。
では、
タワーとしてのヒルズではなく
エリアとしての
六本木ヒルズから
東京タワーを見る構図はどうなるのか。
これもまた
現代的且つ都会的な
ストーリー性を描き出す。

暮れなずむ街角。
ヴィトンだなんだが並ぶ
ストリートである。
これが、
夜も深まる
ホリデイ・シーズンになると

こうなる。

西へ進めば渋谷に至る
六本木通りから望む東京タワー。
これらの写真から分かるように、
東京タワーは
それ単体で
スカイスクレイパーを構成している。
西新宿摩天楼や汐留その他の
東京では
高層ビル群としての
スカイスクレイパーは
文字通り<群>であり、
高層建築物が群れを成している。
しかし
高層建築物の中でも
明らかにポスチャーが異質な
東京タワーは、
異質な上に
それ単体で
周囲に居並ぶ摩天楼を従えていない
状態で立っている。
そのあたりが
東京タワーを主役とする
スカイスクレイパーの異形であろう。
それは
<現代性>ヒルズとは真逆の
<古き良き存在>側にある
芝大門の増上寺との交錯でも
見てとることができるのである。


いわゆる
エリアとしては芝公園。
芝公園エリアが主張するであろう
ビッグ・スリーは
増上寺
東京プリンス・ホテル
そして
東京タワー。
国重要文化財を複数擁する、
徳川歴代将軍のうち
秀忠、家重ら6人が被葬されている
徳川家の霊廟。
ヒストリカル・ヴァリューと、
大都会のど真ん中に
忽然と姿を現す増上寺の
そもそもからしての異形ポスチャーに、
超高層のタワーが交錯することでの
<違和感>。
あるいは、
それ(タワー)を増上寺の背後に
認めた瞬間の
ゾッとするような驚き
あるいは
トキメキ。
これはまさに、
東京タワーが
周囲に同じく超高層建築物を
群として
太刀持ち露払いを従えることなく、
"ピン"で屹立していることからくる
覚悟を秘めた美
がもたらしている様相なのである。
改めて
ナマで増上寺とその背後にそびえ立つ
東京タワーを見る機会創造に
トライしていただきたい。
プラスこそあれ、マイナスはない。

*****
少しブレイクで、
空に突き出る東京タワーの二枚を。


ビルヂングでは
こういった世界観は出ない。
これもまた
東京タワーの特異体質であり、
ニューヨークの
エンパイア、
パリの
エッフェル・タワーにも御す
世界観となろう。
*****
東京タワーの上。
そこからの
<高度の実感>に入る前に、
まず
その秤としての対象である
西新宿摩天楼群から
代表格の東京都庁を。
東京都庁からの東京タワーが見える
光景。

ここに
東京スカイスクレイパーの
(サンシャイン60と汐留を除く)
トップ・クラスが勢ぞろいしている。
手前左側に
東京エンパイア、
向こう正面中央に
東京タワーが見え、
その隣に
東京ミッドタウン。
さらに目線を右へ向ければ
上述した六本木ヒルズがある。
遠近法の差はあれど
東京都庁を基軸とする
高さの相対的レベルは分かるであろう。
見ている側の東京都庁は243m。
東京ミッドタウンが248m
(東京ナンバー1高層ビルヂング)
六本木ヒルズが238m。
そして
東京エンパイアは
"鉄塔"として272m。
目線だけでいえば
東京エンパイアが最も高くなる。
東京タワーは
それらを凌駕し、
且つ
日本最高峰ビルヂングの
横浜ランドマーク・タワーすら抜き去る
高さ333m。
しかも
その展望台の位置。
これが問題になる。
東京エンパイアのように
超高層でありながらも
展望台すら提供しない
消費者無視の姿勢は論外として、
東京タワーは
低い位置の大展望台
(1Fと2F)と
高い位置の
特別展望台の
三種類を擁し、
高さもそれぞれ
145m、150m、
そして最上階250mという世界観。

(これは大展望台。
特別展望台は
タワー最上部に近い先端部分になる)
屋外の山などを除く
高層建築物において
己が立ち
眼下を望む展望台としては
273mで日本王者の
横浜ランドマーク・タワーに次ぐ。
横浜ランドマークに関しては
<高度の実感>が
想像以上に少ないことは既載した。
その要因も記した。
東京タワーが
<高度の実感>で
横浜ランドマークを
圧倒的に上回るのはもとより、
これまた
特異体質ゆえに
<高度の実感>がものものしい
東京都庁に匹敵するか
あるいは
種類別にすれば上回る最大要因は、
<鉄塔>である
ということと
もうひとつ、
東京都庁からの眺望でも
分かるように
東京タワーからの眺望には
並みいる強豪を
眼下および遠望で俯瞰し得るパワーと
位置関係を持っている
ことが挙げられる。
何もない
横浜ランドマークと、
周囲に
比較対象として絶好の存在
(ヒルズ&ミッドタウンの六本木系、
西新宿摩天楼群その他)が
大挙して存在している東京タワー。
この差は甚大である、と。
A/
鉄塔であること
B/
周囲の相対評価基準になる
超高層ビル群の眺望
という
二大アドバンテージごとに
写真で切り取っていきたい。
まずはBから。
Bにおいては
相対評価基準の相手の眺望のみならず、
眺望の中に
分かりやすいメジャーな景色が
あるかどうかも
心理的な作用をもたらす。
その点でも
東京タワーからの眺望は
おそらく都内最高といって良い。
それほど
東西南北見事な位置関係で
東京のメジャーで一般ゼネラルな
分かりやすい対象物の眺望を得られる。

お台場、レインボー・ブリッジ方面を見る。
誰もがその大きさや存在感を知っているそれらが
こんなに小さく見えるという
<高度の実感>のシンプルな分かりやすさ。

これが東京都庁からの眺望との
逆パターン。
東京タワーから見る
東京ミッドタウンと東京都庁、
東京エンパイアを含む
西新宿摩天楼群。
いかがであろうか。
"あの"高さを誇る面々が
低い位置にあるのが分かるであろう。
これが
<あのミッドタウンが、あの西新宿摩天楼が、
ここよりも下にあるのか…>
という
分かりやすさが
<高度の実感>を高めるのである。

これに
六本木ヒルズが入ると
以下の構図になる。


霞ヶ関方面。

汐留方面。
そして
箱根方面に沈む西陽を向こうに
都内を見下ろすと、

次は、A。
<鉄塔>ゆえの
<高度の実感>とは
どういうことなのか。

シンプルにいえば、
この写真が意味するところである。
つまり
ビルヂングではなく
<鉄塔>であるということは、
空洞があるということである。
空洞があるということは
<屋外>に匹敵するばかりか、
建物の中にいながらも
下や空が
見透かされてしまうことから生まれる
恐怖感である。
空に向かって
組み立てられた鉄塔の
骨組みを
目前にしながら上がる。
そして、下を見る。
ビルヂングにはない
リアルな高所感。
それは
下から見上げている時点で
想像していることであっても、
エレベーターで
上がるにつれて目にする光景に
よりリアルな実感を伴うことで
増幅される
足がすくむ感覚である。

これはもう
エンターテイメントである。
そして
当然ながら
真下を垂直に見下げることもできる。
これが
己が今いる位置の高さを
より強く実感させることにもなる。


既視感から生まれ出る
<ここは高い>という
あらかじめの理解。
それをさらに
<鉄塔>ゆえに
リアルに己の立ち位置が理解できる
ことでの肌感覚での実感。
既視感での理解に
現場でのリアルな肌感覚が
加味されることで増幅される
<高度の実感>。
しかも
そこからの眺望に
既視感と理解で既にある
<高い、その他の高層ビルヂング>が
"眼下"に存在することで
さらに付加される
<高度の実感>。
さらにさらに
東京タワー自体にそもそもある
ヒストリカルな要素と
カルチュラル・アイコンとしての重み。
それらを包括的に鑑みれば、
東京タワーが
"世界"に御す存在であるという
理解にたどり着くわけである。
且つ
ダモシとしても
己が常に目の前にあったものの、
06年頭まで
一度も上がったことがなかったが
上がってみて驚愕したという事実。
しかもそれが
"世界"も見てきた後ですら
驚いたという真実。
ここに
東京タワーの
底知れぬパワーがある、と認めるところである。
むろん
以前も記載したように
東京タワーは
その<貴婦人のスカート>的な
建物のフォルムとポスチャー自体の
美しさもあるわけで、
美しさという点でも
無味乾燥とした
高層ビルヂングの範疇に入る
東京都庁や
横浜ランドマーク、六本木系、
その他ニッポン各都市のそれらとは
明らかに一線を画し、
これもまた世界の並みいる
<高度の実感>+<美>を
併せ持った存在たちと比較しても
ヒケをとらないという面でも
ニッポン1
といっても過言ではない
存在であろう。
霞ヶ関ビルヂングもそうだが、
<昔のニッポン>の英知。
これは
忌憚なく
すばらしいと感じ得る。
その意味でも
ニッポン再発見/新たな発見
という世界観の中でも
筆頭格にある存在が
東京タワーといえるだろう。
以下、写真群をまず一気に。

エッフェル・タワーに
似たポスチャーで切り取った
東京タワー。


周囲にある
ミドル・サイズのビルヂング窓に映る
東京タワーの姿。



空に向かって聳え立つ
東京タワー。

鉄骨の間から見えるムーン。

ドライヴィング中に
真正面に現れる東京タワー。
最後は
夜の東京タワーを足下から。


新東京タワー
<東京スカイ・ツリー>(墨田区)が
建設中である。
600mを超える
リアルなスーパー・トール。
展望台も
第一展望台(350m)だけで既に
破格であるが、
第二展望台は450mとなるようである。
むろん
展望台の高さとしては世界一となる。
ただし、
東京タワーに比べると
そのロケーションが微妙である。
東京タワーの持ち得る
絶好のロケーションが生み出す
眺望の妙。
この点で多少
新東京タワーへの期待感を
割り引いておいた方が賢明であろう。
高さ自体には当然、
新東京タワーへの期待感は大きい。

下に見える文字。
誘致中の
東京五輪の開催年、<2016年>。
その5年前の2011年には
新東京タワー(610m)は完成する。
それは
展望台の高さのみならず
シカゴのシカコ・スパイア(609m)を超える。
世界最高峰建築物になるはずだった
ドバイのビルヂングがあるが、
狂乱バブルのドバイ自体が破綻したため、
もしかしたら
新東京タワーは
展望台やタワーとしてのみならず
超高層建築物としても
<世界一>になる可能性を秘めていよう。
しかし
それでも東京タワーは不滅である。
いわゆる
写植版下時代のデザインではないが、
当時のニッポンと
鳶職人たちや技術者の
総力を結集した
乾坤一擲のパワーは不滅であろう。
この
独特の<高度の実感>もまた
世界に御すレベルとしても
不滅であろう。
ハッピー・バースデイ、東京タワー。
■


